もりとみずうみ

さみしさのやさしさ、いとしさについて。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

月光スコープ Ⅳ半身/或いはSrSO4 mohs3‐3.5

半身/或いはSrSO4 mohs3‐3.5 世界は崩落した。 天の月が姿を消し、世界は色を失い、命あるものたち─ひと、翼あるもの、鱗もつもの、植物に至るまで─は朽ち果てた。暗闇の中ですべてが乾き、静寂の中で塵へと変わる。 硝子の割れた銀縁の眼鏡が、浜辺だった塵…

月光スコープ Ⅲ終末の実り/或いはSiO2 mohs7

終末の実り/或いはSiO2 mohs7 少年の家は海の傍にある。 海はこの小さな村の全ての営みの源だった。 透明な海水は飲水になり、泳ぐ魚たちは村人の食料になり、網にかかる貝が抱きしめる真珠はこの村の特産品として経済を支えた。 硝子のようにすみとおった海…

月光スコープ Ⅱ Mondenkind/或いはSiO2 mohs7

Mondenkind/或いはSiO2 mohs7 満月の夜にだけ、現れる夜店がある。 星のない真っ暗な天幕のような空で、地上をじっと見下す巨大な満月の夜。 あまりにも大きくて、あまりにも眩しいから、月面に刻まれた模様までくっきりと見える。 そこに刻まれているのは、…

月光スコープ Ⅰ魚たちのビオトープ/或いはCaF2 mohs4

魚たちのビオトープ/或いはCaF2 mohs4 ぼくの涙はモース硬度4の小さな結晶になった。 あまりに長い期間溜め込んだから、透明だった涙はぼくのかなしみを吸い込んで菫色に変わっている。 ぼくは結晶を、硝子の試験管に入れた。ちり、と硝子を結晶がひっかく冷…

新しい庭。

先日、創作についての悩みを書いたけれど、少しずつ土を耕しで土壌つくりをしています。 その一環で、あたらしい場所をひとつつくりました。 二次創作に関しては専用の個人サイトやXアカウントがあるけれど、ここは短歌や詩やエッセイ、絵の練習場所にするつ…

庭づくりのはなし。

創作は、庭をつくることに似ていると思う。私は庭師だ。 私がつくっている庭は決して大きくもないし、花の盛りに大勢の人が訪れるような場所でもない。 土を耕し、種を撒き、害虫や害草を駆除して、花が咲いたら、ちょっと良い紅茶を淹れて眺める。 時おり、…

1月の、楽しいの記録。

今月の、楽しいお出かけをまとめておく。 1月4日。西の魔女のお茶会inアニカフェ。お席が南で嬉しい。ランダムグッズでルチルくんが引けて嬉しい。 お隣の方が「サクちゃんと写真撮りませんか」と声をかけてくださる。私のルチルくん、お友だちの西師弟、お…

あたらしい遊び

去年の夏前から、ひそやかに始めた趣味があります。 それはオイルパステルで絵を描くこと。 幼い頃は絵を描くのが大好きだった筈だけれど、成長していくにしたがって『私は絵が下手なのだ』と思い込む様になっていてずっと絵を描くことはしなかった。避けて…

あたらしい日に。

明けましておめでとうございます。 新年早々の天災。そして事故。どうか不安な夜が早く明けますように。助けを必要としているひとが助けられますように。 犠牲になってしまった方々の御冥福をお祈りします。 心を揺さぶられる一年の始まりになってしまったけ…