もりとみずうみ

さみしさのやさしさ、いとしさについて。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

最近の短歌

天使になりたかった少女のtanka ・泥濘に落ちた花びら骨に刺し開かぬ扉に叫ぶ信仰宣言(クレド) ・祈祷のたびに抜ける落ちる羽根 天には届かぬ「かみさま」の音 ・おやすみ砕かれた翼骨のうえ 間違った世界を揺籃にして ・かつて神に焦がれた少女が統べる楽園…

ある休日

2.19 春通り越して5月のような1日だった。まだまだ2月なのだから先走らないでほしい。冬が終わってしまう準備は出来ていない。まだ熱い紅茶が飲みたいし、深夜の冷たい夜空とか、編みかけの編みぐるみとか、乾いた草や土の匂いを抱きしめていたいから。 早起…

マイホーム・ナイトシネマ

最近自宅で鑑賞した映画のまとめ。 観たい上映中作品も配信作品もたくさんあるし、読みたい本もたくさんあるし、執筆もしたいし、編み物もしたいし、絵も描きたい。夜が一日に一回じゃ足りない、と日々思っている。 2.17 ■汚れなき情事 イギリスの片田舎、少…

猫の日のtanka

2.22 猫の日に詠んだ短歌 ─薄氷通信─all rights reserved

春のKyrie

─薄氷通信─all rights reserved

天使みたいにかわいい私の話

川野芽生さんの初のエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』を読んでいる。 ロリィタや少年装との出会い、エルフや幻獣への憧れ、人形になりたいという気持ちについて…装うことで本来の自分を取り戻していくことが綴られたエッセイに、冒頭から泣いてしまっ…

コット、はじまりの夏

2.16 《コット、はじまりの夏》 友人と大好きなシアター、新宿シネマカリテにて鑑賞。 大家族の中で育ち、家族といても孤独を感じていた9歳の寡黙な少女コット。(父親はギャンブル依存症だし、生活は困窮していて、両親共にネグレクト気味の家庭だ) そんな…

季節と季節の間の余白

■2.15 ここ数日、すっかり春のようにあたたかい。2月だというのに。 冬の残滓を散らす強風、なまぬるい空気の黙祷、季節が弔われている。 私は春は身体と相性が悪く、冬を愛しているのでもう少し冬が続いてほしい。 三寒四温。寒さは冬のそれより輪郭が滑ら…

理瀬という少女について

一人の少女の話をしたい。 彼女と出逢ったとき、私もまた少女だった。友人から借りた一冊の本の中で出逢った少女は、その時からずっと私の心を捉えて離さない。 おとなになった今でも、ふいに彼女の輪郭を濃く感じることがある。そうするともうたまらなくな…

最近のときめきの欠片たち。

最近我が家にやってきた、嬉しいの欠片の記録。 ついにお迎えしたチェロのハードケース。チェロを始めて今年で三年目。ずっとソフトケースを使っていました。ソフトケースは軽くて良いのだけど、自立してくれないので置き場所や移動時が少し困る。 楽器だけ…

Hello World

2月10日 大好きなお友達三人でフォルモーントシティへ行った日。 魔法使いの約束のイベントストーリー『パラドクスロイド』とコラボしているジョイポリス。 子供の時に訪れて全ての乗り物に酔うというあまり楽しくない記憶があって不安に思っていたのですが…

夜に寄せるエッセイ

2月5日 東京で久しぶりの積雪。昼にはみぞれが雪に変わって嬉しくなる。仕事だったけれど、酷くなる前に帰れたのでもううきうきと雪を見上げてしまう。 職場でわけてもらった薔薇に、雪が積もって綺麗だった。傘をさしていても花やコートに雪が模様をつくっ…

本についてのあれこれ

2月4日 Xで相互さんたちと恩田陸さんの『ライオンハート』についてお話する。恩田陸さんを好きなひとは周りに沢山いるけれど、『ライオンハート』が好きというひとにはあまり出逢って来なかったからとても嬉しい。 時を越えて、出逢った瞬間に互いのことを思…

愛について

プライドという美徳

2月3日。 私のローレライの、インストアイベントに参加した。 今回はアコースティックのミニライブとトーク会で、新曲含め3曲のバラードをピアニストと共に演奏。 新曲は大切な人を亡くしてしまうバラード。 先日のライブでも聴いたけれど、この曲はしみじみ…

poor things

2月1日。 前日のライブの余韻抜けきらぬ身体のままバレエのレッスンを受け、映画館へ駆け込む。 観てきたのは『哀れなるものたち』。 ─天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、…

ローレライに逢いに行った日

2024.01.31 私のローレライ*の歌を聴きに、ライブハウスまで。 *のこと→https://jardindelis.hatenablog.com/entry/2023/09/18/180802 あんまりにもステージが近くて、どうにかなってしまいそうだった。苦しかった。前から二列目は以前もあったし、インスト…

心の庭の話。

お誕生日のことをもう少し。 お誕生日前後に友人たちからもサプライズプレゼントが届いた。 みんなラッピングからそのひとの感性や美意識が感じられる美しいもので、物語の主人公にでもなった気持ちでリボンを解く。 SNSで知り合った友人たちが多いのだけれ…

読書記録

川野芽生『月面文字翻刻一例』 川野さんの言葉の美しさにはいつも酔わせられる。 ひたひたと滴る透明な水。呑み下すとゆっくり身体に廻り、それはやがて手足を痺れさせ、呼吸を苦しくさせるのに。そのさなかに姿を現す幻影があまりにも蠱惑的で、また、もっ…

憧れの魔女

1月26日、今年初の映画館は『カラフルな魔女』 角野栄子さんが好きと言いつつ、きちんと読んだのは魔女の宅急便シリーズとエッセイだけと思っていた。 けれど「え!小さい頃に読んでたあの本、角野さんの作品だったんだ!」ということが多々ある。彼女の著作…

火曜日の冬の夜のこと

1月26日 この日は私の誕生日。 自分の努力や望みなどとは関係なく、持って生まれたものの中で一番お気に入りなのが誕生日。火曜日の冬、三日月と上弦の間の月の夜に生まれた。 冬が大好きなのは冬生まれだからということもあるかもしれない。 そんな誕生日、…

ある詩人のソネット

メランコリックな雨の日に

1月21日、雨の日曜日。 とても久しぶりに『中国の植物学者の娘たち』を観る。 初めて観たのは十年以上前。娘たちと同様に同性の恋人だったひとと泣きじゃくって、手を繋いで眠ったことを覚えている。 孤児院で育ったミンは、植物学者チェンの下で実習するた…

冬と春のうた

冬が終わってほしくない短歌。 先日、東京でも雪が積もりました。 冬は終わってほしくないけど、冬の中で春を想うことは好き、という詩。 春は、子供時代の熱みたい。ふわふわと、心許なくて、暖かいと思えば寒くなって、なんとなくさみしくて、なんとなく守…

山梔

読んだ本の記録。 読み始めは野溝七生子『山梔』 自らを犠牲にする母と姉への愛、暴力をふるう父への愛憎。書物への渇求、古代ギリシャ神話・中世ヨーロッパ伝説への憧れと畏敬。 ヒロイン阿字子は家父長制や結婚への圧力などの不自由な世界で、葛藤しながら…

展示室という場所

art

1月19日の夜、娘と絵を描く魔法使いのぬいと共に上野の森美術館『モネ 連作の情景』展へ。 あまりの混雑に驚く。とはいえ、やはりモネは美しい。一番好きな画家は他にいるけどモネを嫌い、というひとはあまりいないのではないかな。 ジャポニズムの影響を受…

Our bodies are our gardens, to the which our wills are gardeners.

1月18日 友人と観劇。 Casual Meets Shakespeare『OTHELLO SC』 友人からよく話を聞いていた俳優さんが主演、そして大好きなシェイクスピアのオセローとのことで友人にチケットを取ってもらった。 ちょっとした縁があって、原作漫画やゲームを知らない2.5次…

徒然と

お気に入りの花屋さんをいくつか持っておくのは良い。 私は仕事の帰りに通る駅にあるお花屋さん(ロマンティックで珍しいお花や、大好きなROSE FARM KEIJI さんの和バラを取り扱っている)と、近所のスーパーに入っている小さな花屋さん。 スーパーの花屋さん…

月に愛された世界に寄せて

─満月の夜は、不思議なことが起こる ─揺蕩う世界で、君が微笑んだから オイルパステルのまほやくファンアート。 厄災と、フウィルリンと出逢った海。

いつか、彼女が見た海

□1月11日 この日出逢った素敵な言葉 “The. heart of man is very much like the Sea, it has its Storms, it has its tides and in its depths it has its pearls too.” ─人の心はとても、海に似ている。嵐があって、潮の満ち引きがあって、奥まったところに…