もりとみずうみ

さみしさのやさしさ、いとしさについて。

book

天使みたいにかわいい私の話

川野芽生さんの初のエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』を読んでいる。 ロリィタや少年装との出会い、エルフや幻獣への憧れ、人形になりたいという気持ちについて…装うことで本来の自分を取り戻していくことが綴られたエッセイに、冒頭から泣いてしまっ…

最近のときめきの欠片たち。

最近我が家にやってきた、嬉しいの欠片の記録。 ついにお迎えしたチェロのハードケース。チェロを始めて今年で三年目。ずっとソフトケースを使っていました。ソフトケースは軽くて良いのだけど、自立してくれないので置き場所や移動時が少し困る。 楽器だけ…

本についてのあれこれ

2月4日 Xで相互さんたちと恩田陸さんの『ライオンハート』についてお話する。恩田陸さんを好きなひとは周りに沢山いるけれど、『ライオンハート』が好きというひとにはあまり出逢って来なかったからとても嬉しい。 時を越えて、出逢った瞬間に互いのことを思…

読書記録

川野芽生『月面文字翻刻一例』 川野さんの言葉の美しさにはいつも酔わせられる。 ひたひたと滴る透明な水。呑み下すとゆっくり身体に廻り、それはやがて手足を痺れさせ、呼吸を苦しくさせるのに。そのさなかに姿を現す幻影があまりにも蠱惑的で、また、もっ…

山梔

読んだ本の記録。 読み始めは野溝七生子『山梔』 自らを犠牲にする母と姉への愛、暴力をふるう父への愛憎。書物への渇求、古代ギリシャ神話・中世ヨーロッパ伝説への憧れと畏敬。 ヒロイン阿字子は家父長制や結婚への圧力などの不自由な世界で、葛藤しながら…

夏の課題図書のおはなし。

わたしには、季節それぞれに課題図書があります。 例えば、まだ冷たい風が吹きすさぶ中でふと見上げた桜の枝先に小さな蕾が膨らみ始めているのを見つけたときに読む本。 公園の花壇や、お花屋さんに色とりどりの香しい花々が咲き乱れるときに読む本。 生ぬる…