もりとみずうみ

さみしさのやさしさ、いとしさについて。

essay

天使みたいにかわいい私の話

川野芽生さんの初のエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』を読んでいる。 ロリィタや少年装との出会い、エルフや幻獣への憧れ、人形になりたいという気持ちについて…装うことで本来の自分を取り戻していくことが綴られたエッセイに、冒頭から泣いてしまっ…

最近のときめきの欠片たち。

最近我が家にやってきた、嬉しいの欠片の記録。 ついにお迎えしたチェロのハードケース。チェロを始めて今年で三年目。ずっとソフトケースを使っていました。ソフトケースは軽くて良いのだけど、自立してくれないので置き場所や移動時が少し困る。 楽器だけ…

夜に寄せるエッセイ

2月5日 東京で久しぶりの積雪。昼にはみぞれが雪に変わって嬉しくなる。仕事だったけれど、酷くなる前に帰れたのでもううきうきと雪を見上げてしまう。 職場でわけてもらった薔薇に、雪が積もって綺麗だった。傘をさしていても花やコートに雪が模様をつくっ…

徒然と

お気に入りの花屋さんをいくつか持っておくのは良い。 私は仕事の帰りに通る駅にあるお花屋さん(ロマンティックで珍しいお花や、大好きなROSE FARM KEIJI さんの和バラを取り扱っている)と、近所のスーパーに入っている小さな花屋さん。 スーパーの花屋さん…

いつか、彼女が見た海

□1月11日 この日出逢った素敵な言葉 “The. heart of man is very much like the Sea, it has its Storms, it has its tides and in its depths it has its pearls too.” ─人の心はとても、海に似ている。嵐があって、潮の満ち引きがあって、奥まったところに…

200字に満たないものがたり。

tanka

こいびとのような楽器と、ひそやかな空間について。

Xでつぶやいたことについて、もう少しだけ書きたくなったのでここに綴ってみる。 私が音楽の道を歩んでいたときの話。 私の専攻は声楽だった。声楽、つまり歌。 歌の演奏というのは、なんというか、とても、オープン。 当たり前のことだけれど、口をひらき、…

秋のレシピ

11月がきた! 突然ですが、私には秋のレシピがあります。カレンダーをめくってNovemberの文字をみたらもう、嬉しくなって秋の楽しみを集めた頭の中のレシピをひらくのです。 といっても秋が特別好きというより、冬が一等好きで、その冬の予感をはらんだ秋の…

だって秋だもの

秋を自由に詠んでみる

インセンスの楽しみ

Azul Ashengrotto Jamil Viper Minami Natsume 以前別の場所に載せたものの再掲。

雨のessay

雨の日曜日。 私は、雨が結構好きな方だとおもう。 仕事の日、朝から雨が降っていると憂鬱になるし、少女時代はくせ毛だったので雨の日は学校に行きたくなかった。 それでも、雨の日の持つ空気や音やにおいは、昔から好きだった。 ここに来る時はいつも雨が…

言葉のスクラップブック

autumn vibes

今日の仕事帰り。たかい空の青色は澄んでいて、陽射しはあたたかいけれど、ふと吸い込む空気の質感がすっかり秋のすべらかさを伴っていた。 いつも遠回りして、わざと家とは反対側の出口から駅を出る。たいてい、そこから家までの道の真ん中あたりに位置する…

よるのにっき。

私はずっと、音楽で舞台に立っていた。 ほんの少女の頃から、やがて病で歌えなくなるまで。 私の専攻は声楽で、舞台と一口に言ったけれど大きなコンサートホールから小さなカフェでのコンサート、ホスピスの談話室まで、その種類は様々。私はオペラに興味が…

そんなわたしも、あの頃とはちがうわたし。

美しいものがすき、 お人形になりたいと言っていたあなたが 文通の封筒にカファレルのクラシカルなチョコレエイト缶やクリムトのポストカードを 忍ばせてくれていたあなたが リボンとレースとフリルとドロワーズを愛していたあなたが こいびとと、カノンくん…

地中に埋められた海に溺れに行く日の話。

今年はたくさん、ライブハウスに行っている。ライブハウス。音楽を聞く場所。見る場所。感じる場所。暴れる場所?どう表現したらいいのか分からない。 わたしは物心ついたときから今年の2月まで、音楽を聞きに行く場所はホール、或いは劇場と呼ばれる場所し…

やわらかな寂しさについて

昨日別の場所に書いたもの。 読んでいたのは、梨木香歩さんの「裏庭」。